マルテンサイト系ステンレスの特徴

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マルテンサイトの最大の特徴は、他の鉄鋼材料のように熱処理(焼入れ)をすることができ、この焼入れによってマルテンサイト組織が生じて硬化させることができます。鉄鋼材料の多くは成分だけでなく、この熱処理によって変幻自在ともいえる多様な性質を持つことができます。すべての状態で磁性があります。

マルテンサイトの組織自体は、硬くて脆い性質をもちますが、焼き戻しによって強度や硬さをさらにあげることができます。この系統のステンレスは組織が変態するという特色があるため、熱処理によって硬化させて利用されています。代表的な鋼種として、13Crステンレス(13クロムステンレス)があります。

こうした性質から、高強度や高硬度が要求されるものや高温にさらされるものに使われたりします。耐食性についてはマルテンサイト系は他の系統よりも劣る傾向があります。これは炭素の含有量が抑えてあることと関係します。SUS403やブリネル硬さ500まで硬化させることができるとされるSUS420などこの系統のステンレスの際立った特徴は、「硬さ」です。ただ硬さとは、脆さとも表裏一体でもあります。硬く耐摩耗性に優れることから、刃物、工具、ノズル、タービンブレード、ブレーキディスク、などに使われます。

  • 室温での強さが大きいタイプのステンレスです。
  • 溶接性は比較的悪いといえます。
  • 耐食性はフェライト系、オーステナイト系よりも低くなります。

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