ステンレス鋼材のJIS記号の意味

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SUS記号番号の命名法則

SUS304などの材料記号もしくは鋼種記号は、AISIタイプナンバーに準じて三ケタの数字表すことになっています。この番号からそのステンレスがどの分類に入るのか大まかに判断することもできます。

  • SUS2XX(Cr-Ni-Mn系)オーステナイト系 ※現在のJISには規定なし
  • SUS3XX(Cr-Ni系)オーステナイト系
  • SUS4XX(Cr系)フェライト系
  • SUS4XX(Cr系)マルテンサイト系
  • SUS5XX(5%Cr系)※現在のJISには規定なし
  • SUS6XX(PH系)析出硬化系

また末尾にJ1やJ2の連番がついている鋼種は日本独特のものです。

材料記号のそれぞれの意味

ステンレスを表すSUSは特殊用途の鋼であることを示す前置記号です。例えば、「SUS304 CP BA」とあった場合、各記号の意味は下記の表のようになります。

SUS 前置記号 ステンレス鋼材の棒、板、帯、線、管等であることを示しています。
304 鋼種記号 JIS規格により成分や機械的特性が定められたステンレスの種類を表します。数字は米国の鉄鋼協会の規格であるAISIに準じたものです。
CP 後置記号 どのような製法・形状なのかを大まかに示しています。ここでは冷間圧延板であることがわかります
BA 質別記号 最終的にどのような仕上げが施されたものかを示し、ここでは冷間圧延板か帯の光輝熱処理仕上げであることがわかります。

記号例としては下記のようなものがあります。

前置記号 意味
SUS ステンレス鋼材であることを示し、棒、板、線、管等の形状があります。
SCS ステンレス鋼材鋳鋼品。ステンレスの鋳物(鉄鋼材料を型に流しこんで作る方法)であることを示しています。
SUH 耐熱鋼の板や棒であることを示しています。
SCH 耐熱鋼の鋳鋼品であることを示す記号です。
後置記号 意味
CP 冷間圧延板。Cold Plateの略です。
HP 熱間圧延板。Hot Plateの略です。
CS 冷間圧延帯。Cold Stripの頭文字から取っています。
HS 熱間圧延帯。Hot Stripの頭文字に由来します。
WR 線材。Wire Rodの略です。
WS 軟質線。冷間圧造用ステンレス鋼材線で、Wire Screwの頭文字に由来します。
WH 硬質線
B 棒材。BはBarの略です。
TP 配管用の管
TPD 一般配管用管
TPY 配管用アーク溶接大径管
TK 構造用管
TF 加熱炉用管
TBS サニタリー管
TB ボイラー・熱交換器用管
質別記号 意味
H 棒材の熱間仕上げ
CD 棒材の冷間引き抜き仕上げ
CT 棒材の切削仕上げ
CG 棒材の研削仕上げ
No.1 熱間圧延後、熱処理や酸洗を施したもの。板や帯。
No.2D 冷間圧延後、熱処理や酸洗を施したもの。板や帯。
No.2B No.2D材に光沢を与える程度、軽く冷間圧延したもの。スキンパス仕上げ。
BA 冷間圧延後、光輝熱処理仕上げしたもので、そのあと光沢をあげるために軽く冷間圧延したもの
No.3 No.2DまはたNo.2Bの仕上げ材を、100〜120番程度の砥粒を持つ研磨ベルトで磨いたもの。
No.4 No.2DまはたNo.2Bの仕上げ材を、150〜180番程度の砥粒を持つ研磨ベルトで磨いたもの。No.3より目の細かい仕上げになる。
#240 No.2DまはたNo.2Bの仕上げ材を、240番程度の砥粒を持つ研磨ベルトで磨いたもの。
#320 No.2DまはたNo.2Bの仕上げ材を、320番程度の砥粒を持つ研磨ベルトで磨いたもの。
#400 No.2B材を400番相当のバフで仕上げたもの。
HL(ヘヤライン) 150番〜240番程度の粒度を持つ研磨ベルトで、表面に髪の毛(ヘヤライン)のように連続した直線の研磨目がついた仕上げ
No.8 細かい粒度の砥石や研磨材で磨いた後、鏡面仕上げ用のバフ等で仕上げられたもの。
   

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