析出硬化系ステンレスの特徴

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熱処理によって高硬度にしたステンレスです。元来、焼入によって硬化できないオーステナイト系ステンレス鋼材を熱処理によって強力化できるように改良した鋼種ですので、クロムニッケル系の組成を持っています。このため、耐食性はオーステナイト系には及びませんが、クロム系よりは優れています。固溶化熱処理(S処理)によって成形加工して析出熱処理を施した鋼種で、金属組織上の特徴から3タイプあります。

 SUS630を代表鋼種とするマルテンサイト系は、固溶化熱処理の状態でマルテンサイト組織を持つタイプです。シャフト、タービン部品、スチールベルト、ばね材、などに利用されます。他には、SUS631が該当するセミオーステナイト系、SUSではなく厳密には耐熱鋼になりますが、オーステナイト系に属するSUH660もこのタイプです。

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