ステンレス材料に職業的に関わる人が磁石を持ち歩いていることがありますが、これはステンレスの種類を見分けるために使われています。ステンレスには成分による分類では大きく2種類(クロム系、クロムニッケル系)、金属組織上の分類では大きく5系統(オーステナイト、マルテンサイト、フェライト、二相、析出硬化)に分けられていますが、このうち、磁石に付かないのは「オーステナイト系ステンレス」になります。
この非磁性は、分野によっては重要となる性質のため、材料選定の際には検討されることの多い性質でもあります。ただオーステナイト系ステンレスであっても冷間加工の際にわずかに磁性を持つものもあります。