ステンレスにおけるリジングやローピングとは何か

ホーム>ステンレスに関するQ&A>ステンレスにおけるリジングやローピングとは何か

ステンレスの板をプレスや絞り加工、引張り加工すると稀に圧延方向(材料を延ばす方向)と平行に縦縞の「シワ」が大量に出ることがあり、これをリジングやローピングと呼びます。あるいはリジングマークと呼ぶこともあります。リジングは英語でridging、ローピングはropingといい、それぞれ同じものを指しています。

金型損傷や成形割れになることもあるリジング

リジングはステンレスの加工不良のひとつで、外観だけでなく、表面が凹凸になっているため、当然ワークの裏面もそれに対応する凹凸ができており、さながら畑の畝のような様相を呈しています。研磨で除去できないこともないですが、凹凸の深さの限度もあり、浅いものであったとしても工数やコストがかかるため、プレス加工や絞り加工の段階でなるべく発生させないことが肝となります。またリジングは深いものや大きなものになると板自体の割れにつながることもあります。金型損傷の原因になることもあるため、捨て置くこともできない加工不良のひとつといえます。

フェライト系ステンレスを加工する際の発生頻度が高い

この現象は主としてフェライト系ステンレスで起きます。一般にフェライト系ステンレスはオーステナイト系に比べると二次加工性には劣るといわれます。

耐リジング性を備えたフェライト系ステンレスもあり、例えばSUS410LやSUS430に比べて高温でのオーステナイト組織も多く、低クロムのフェライト系ステンレスで、フェライト系としてはプレス成形性(深絞り性、張り出し性)に優れています。とはいえ、リジング現象とは無縁ではなく、あまりに頻繁に発生するようであればフェライト系以外の鋼種も選択肢として検討する必要があります。

リジングの発生原因は

リジングの発生原因には諸説あり、ステンレス鋼の製造工程にある熱延工程での炭化物の不均一が原因であるとするものや、熱延時の集合組織の不均一が冷延加工やその後の焼きなまし後も残存していることが原因であるとするもの、鋼種ごとの固有の成分、例えばSUS430でのCrとCの偏析、SUS434のMoとCrの偏析が関係しているとの説等があります。ステンレス鋼の集合組織を均一にすることが材料サイドからの改善アプローチとなります。加工条件の変更ではどうしようもないことがあるため、材料選択の検討が重要となる所以です。

ステンレスにおけるリジングやローピングとは何かの関連記事へのリンク

スポンサーリンク